化哲感想

アファンタジア(映像を想像できない) 2013入社(メーカー技術)

分析・測定結果の解釈で悩んだときのための本 『実験データを正しく扱うために』

分析・測定結果の解釈の悩み

  1. 分析結果が結構ばらついてしまう。測定回数を増やすのも大変だ。何回測定したらどのくらい正しくなるの?
  2. よく値の表記で「○○±△△」という形式(エラーバー付きの値)を見るが、あれの意味と使い方は?
  3. 2本の試薬の純度を測ったところ、値が近いが微妙に違うような気もする。有意な差かどうかってどうやって知るの?

などという疑問を楽に解消する本が、『実験データを正しく扱うために』です。

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資格試験の勉強法 ーー特に化学分野(高圧ガス製造保安責任者、危険物取扱者、公害防止管理者など)ーー

時間のない社会人が資格対策の勉強をするのは大変です。なるべく効率よく合格ラインまで到達したいところです。ここではわたしのおすすめの勉強法を紹介します。

ここで念頭に置く資格は、高圧ガス製造保安責任者、危険物取扱者公害防止管理者などです。これらは、化学メーカー等で働く人がよく取得する資格だと思います(私はすでにいずれも取得済みです)。

  • 最も大事なのは過去問
  • 週末にまとめてやるより、毎日少しだけでもいいから進めるほうがよい
  • 無味乾燥な数値などは、試験直前に覚える
  •  勉強法の勉強 私が読んでためになった本
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超人への誤解の解消ーー『飲茶の「最強! 」のニーチェ』と『正義の教室』を読んで

超人についての疑問

 『飲茶の「最強! 」のニーチェ』を1年前くらいに読みました。大体はわかった気がしたものの、肝心なことがわかりませんでした。以下の2つの疑問があったのです*1

  疑問①超人と宗教的な人って、結局同じなのではないか?
  疑問②超人になるのは不可能なのではないか?

 しかし最近、同著者の『正義の教室』を読み、納得できてきたので整理しておきます。

  • 超人についての疑問
  • 分類のおさらい
  • 過去の私の疑問
    • 疑問①宗教的な人と超人って、結局同じなのではないか?
    • 疑問②超人になるのは不可能なのではないか?
  • 誤解の解消
    • ①他人の価値観を信じることと自分の価値観を追究することは違う
    • ②未来の自分はともあれ、今の自分が正しいと思えれば良い
  • まとめ
    • 疑問①宗教的な人と超人って、結局同じなのではないか?
    • 疑問②超人になるのは不可能なのではないか?

*1:ヴィクトール・E・フランクル著『それでも人生にイエスと言う』や國分功一郎著『暇と退屈の倫理学』を読んだときも、同じ疑問を抱きました。

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森 博嗣『読書の価値』 アファンタジアには真似できない思考法

 アファンタジアの観点から読みました。こんな方法で読書(というか思考)ができたらいいなとは思いますが、アファンタジアには真似できません。うらやましい。

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仕事愛好家の良し悪し 仕事が楽しいと素直に言えるか (アニメ『花咲くいろは』についても考察)

仕事は好きですか?

 「ウチの仕事はおもしろいよね」と同僚に同意を求められると、ちょっと答えに窮します。「今の仕事はどう?」と仕事が好きかどうか暗に問われる質問にもです。仕事が面白くないと思っているからではありません。そういう会話においては、仕事が面白いとはなぜか堂々とは言いづらいのです。なぜなのか考えてみました。

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強迫観念・退屈・虚しさとの戦い 悩みの種類を整理してみた 『けいおん!』等も例に

  生きていると悩みがつきません。

 病気のときは健康でさえあれば幸せなのにと感じますが、健康なときは健康であることのありがたみを忘れ、他のことで現状に不満を抱きがちです。仕事が忙しいともっと楽に生きられればいいのにと思い、仕事が暇だと退屈を感じがちです。また、生きがいを感じながらいきいきと生きられるときもあれば、何もかも虚しいと感じるときもあります。

 最近『暇と退屈の倫理学 増補新版』を読み、「退屈」という観点から、悩みを捉える視点を学びました。一人の人間の悩みの経時変化も、古今東西の人間たちの悩みの違いも、まとめて分類できそうなので、今回自分なりに整理してみました。

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「死」とは何か イェール大学で23年連続の人気講義 ——死の捉え方の誤り 剥奪説が正しいケースとは

「死」とは何か イェール大学で23年連続の人気講義

「死」とは何か イェール大学で23年連続の人気講義

書名に反し、著者は死を捉えそこなっていると思われます。死とは何かという書名とは裏腹に、死そのものについては軽く流して、生きている間の出来事についてばかり語っています。第3・4講に、著者の死の基本的な捉え方が書かれていますが、私には腑に落ちません。*1

  • 第3講 当事者意識と孤独感──死を巡る2つの主張
  • 第4講 死はなぜ悪いのか
  • 剥奪説が正しい場合
  • 著者の人生観

*1:ちなみに私は池田晶子氏、永井均氏、中島義道氏の著書をいくつか読んできており、それらの影響を受けています。

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