化哲感想

アファンタジア(映像を想像できない) 2013入社(メーカー技術)

外で知り合いと会いたくない理由 驚きだけじゃない

外で知り合いに会ったときの衝撃

 一人で外を出歩いているときに知り合いとばったり出くわすと、私はかなりドキッとします。会う相手が好きな人でも嫌いな人でも、自分が恥ずかしい行動をとっていてもいなくても無関係です。

 地方の会社に就職後、頻繁に外で会社の人と出会ってこのようにドキッとさせられることに困っています。これがかなり嫌な感じの驚きなのです。心臓が飛び出るような衝撃というとやや大げさですが、実際に心拍数が上がる感覚があります。心臓の嫌な高鳴りとともに一瞬頭が真っ白になった後、相手から話しかけられたり会釈されたりしたらそれに応じることになります。相手がこちらに気づいていないようならば、気づかないふりをしてさり気なく逃げることもあります。
 実際に出会わなくても、外では知り合いがいないか常に警戒してしまうので精神的に疲れます。人とすれ違うたびに恐怖の連続です。目線がつい下に行ってしまいます。
 それにしても、なぜ知り合いと出くわすとドキッとするのでしょう? こういう現象は私だけに起こることではないようです(下記リンク参照)。
仕事以外は他人に会いたくない気持ちは変ですか? - ふりーとーく - ウィメンズパーク
どこに行っても知り合いがいます : 生活・身近な話題 : 発言小町 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
外出先で知り合いと会いたくない人! | ガールズちゃんねる - Girls Channel -

 対人恐怖症とか社会不安障害と関連していそうですが、人前に出た後の症状が主のようなので完全に該当するわけではなさそう。
対人恐怖
人前で過度に緊張する・・・社会不安障害

 ただし、知り合いと遭遇しても気にならない人もいるようです。羨ましい体質です。
デート中知り合いに会わないか気にしすぎる彼のことをどう思いま... - Yahoo!知恵袋

遭遇への態勢の問題か?

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知り合いとの遭遇パターン

 知り合いと出くわすパターンを表にまとめました。遭遇前の自分の置かれている状況やその際の心構え(態勢)が遭遇の衝撃度に影響していると考え、分類してみました。他者と応対している公的な状況(状況X)を赤色とし、逆に他者と応対していない私的な状況に近づくほど緑色に変化するようにしました。

 知り合いとの遭遇は、A~Dの各状況から他者と向き合う状況(状況X)への即時の移行に相当します。元の状況が状況Aに近いほど、他者と向き合う態勢が取れていない=私的な状態であり、知り合いとの遭遇の際に公私度のギャップが大きくなります。

 状況A→Xは自室に突然知り合いが乱入してきたケースです。衝撃度は特大です。人が入ってこなくても、開かないはずの扉が開くだけで単純に驚いてしまいます。鍵をかけている限りはありえませんので、このケースはあまり考えなくて良いでしょう。

 通常起こるのは、外で一人でいる状況B→Xです。いわゆる「おひとりさま」のときの知り合いとの遭遇です。周りに誰も人がいない場合(路地裏とか)でも、赤の他人に囲まれている場合でもどちらでも同じです。この場合、(少なくとも私は)状況Aのように一人でいる感覚があります。自分の世界にいるとも言えます。知り合いと遭遇するかどうかは不確定であるため、遭遇すると驚きます。遭遇率が低いと思っていればいるほど、遭遇の際の驚きは大きくなります。相手がこちらに気づいているなら、驚くだけでなく、急に自分の思考が人と応対する態勢に自動的に切り替わります。あなたに気づきましたよ、話をする意志がありますよという態度になります。遭遇の際の衝撃は、必ずしも会わないところで会ったという驚きに加え、自分の世界から相手に応対する態勢への切り替えの負担からなっています。

 一方で、会社や学校といった自分の所属するコミュニティー内でたまたま一人でいるとき(状況C)は、知り合いに遭遇してもさほど驚きません。これは、いつ知り合いが遭遇してもおかしくないことを知っているからでしょう。応対態勢への切り替えもスムーズです。外で一人でいる状況Bと比べ、他者と向き合う状況Xとの差が小さくなります。

 おもしろいのは、友人と外出中のときのようにすでに誰かと応対しているとき(状況D)に別の知り合いと出会っても、大して衝撃を受けないことです。なぜでしょう? まず言えるのは、初めから人との応対態勢に入っているから、応対相手が二人に増えても自分の態勢に大きな変化がないということです。他には以下が挙げられます。

  • 新たな遭遇相手の注意が、自分と元の応対相手(友人など)に分散される。これにより人から注目されるストレスが低減される。
  • 自分が相手に気づかなくても、すでに誰かと応対中であれば不自然ではないから、安心して気づかないふりができる。
  • 邪魔しては悪いと思った相手がこちらに声をかけづらくなる。それを見越せば、こちらが応対態勢に本格的に入る必要がないため安心する。
  • こちらに声を書けてきたとしても、あっさり切り上げやすい。

地方暮らしの最大の欠点

 余談ですが、知り合いと遭遇しやすいことが、私にとって地方に住むことの最大の問題です。飲食店、スーパー、最寄り駅、映画館で知り合いに何度会ったかわかりません。もはや外出する気が失せました。

 私の住んでいるところには勤務先の社員が密集して住んでいます。しかも市街地の範囲が狭く、人の流出入が少ないところです。このせいで、知り合いとの遭遇率が高くなっていると思われます。

 市街地が広ければ、勤務先近くに住んでいても、外を歩く人のうち知り合いが占める割合が減ります。東京とまではいかなくても、三大都市圏や札仙広福のような都市圏に住んでいるのであればこのリスクはほとんどないのですが。とはいえ、それを理由に転職活をするほど重大な問題ではないので、諦めています。今はインターネットが発達しており、引きこもっても生活できるのが救いです。